出産後の女性がなりやすい腱鞘炎の予防と対策

出産後は、今までに行っていた料理や掃除といった家事に加えて、赤ちゃんへの授乳や夜泣きの対応といった子育ても行っていかねばなりません。

産後に、旦那さんが家事や育児に対して協力的であれば、こういった負担も減らせますが、仕事の都合上でなかなか家庭の事にまで手が回せないという旦那様をお持ちのママさんも多いのではないかとも思います。

更に、出産後には、

  • 産後すぐの悪露(おろ)
  • 子宮収縮による後陣痛
  • 妊娠前の身体に戻ろうとする体重や骨盤の変化

といった、妊娠前に身体を戻そうと変化する産褥期(さんじょくき)に入り、子育てだけでもてんやわんやのママさんたちの多くは体調を崩しがちになってしまいます。

出産後の気持ちがナーバスになってしまい「産後うつ」になってしまうママさんの話も最近では良く聞きますよね。

そのように出産後には色んなトラブルに悩まされがちなママさんたちですが、そんなトラブルの1つに腱鞘炎を発症してしまうというものがあります。

腱鞘炎を発症してしまい、痛みが悪化すると子育てや家事どころではなくなるほどになってしまいます。しかし、痛みが辛いからと子育ての負担は減らすことができないのがとても辛いところですよね。

そんな手首の病気である腱鞘炎ですが、実は出産後の女性は特になりやすい症状であると言われています。

今回の記事では、出産後の女性と腱鞘炎の関係性や、産後の女性のための腱鞘炎予防や対処法について紹介していきますので、育児や家事で腱鞘炎に悩まされているというママさんは、ぜひ最後まで目を通してみてください。

なお、腱鞘炎の症状など特徴については、こちらの記事で詳しい内容を紹介していますので、参考にしてみてください。

どうして出産後の女性は腱鞘炎になりやすいの?原因を徹底解明!

手には指先から手首にかけて腱と腱鞘という組織があり、腱鞘の中を腱が動くことで指を動かすことができます。腱鞘炎とは、手や腕への負担をかけ過ぎてしまい、この腱と腱鞘が擦れあい炎症が起こることで発症してしまう症状です。

このように腱鞘炎を発症するメカニズムを聞くと、出産後の女性が特別になりやすい病気と聞くと、不思議に思うかもしれません。

しかし、赤ちゃんのお世話でかかる身体的な負担や、妊娠から出産後の身体の変化によって、出産後の女性が腱鞘炎になりやすい理由が存在するのです。

次からは、出産後の女性が腱鞘炎になりやすい原因を3つご紹介していきます。

出産後の女性の腱鞘炎の原因①赤ちゃんの抱き方

赤ちゃんの抱き方が原因で腱鞘炎となってしまうのは、特に最初の出産で子育てに慣れていない初産婦の方に多く見られる原因です。

生まれてすぐの赤ちゃんは、生後3か月くらいまでは首も据わっていないので、赤ちゃんを抱くときに慎重に抱こうと手首から腕全体に余計な力が入りがちです。そのため、腕への過剰な負担がかかりすぎてしまい、新米のママさんの多くが腱鞘炎に悩まされる事になるのです。

出産後すぐの女性は泣いている赤ちゃんをあやしたり、3時間おきに授乳をしたりと、赤ちゃんを抱っこする機会がどうしても多くなります。その時に無理な姿勢で長い時間抱っこの姿勢を保つことで、手首に余計な力が入ってしまい、筋肉に負担がかかり腱鞘炎になってしまうのです。

生まれたばかりの赤ちゃんは約3kg前後ほどですが、1日に30gずつ体重が増えていき、生後3か月くらいまでには約6kg前後にまで増えます。

一般的なスイカの重さが約5kgですので、それほどの重さの赤ちゃんを1日中抱えていては手首も痛めてしまうのも納得ですよね。

出産後の女性の腱鞘炎の原因②育児や家事による手首の酷使

出産後、体調がある程度落ち着いて病院から退院して、家に帰ってくると育児や家事を行う必要がでてきます。退院後すぐに育児と家事を両立するのが難しいという理由で、ご実家に帰省するママさんも多いですよね。

もともと慣れていた家事だけならともかく、それに加えて育児の負担がかかることで腱鞘炎になりやすくなってしまうのも納得です。

育児では、オムツ交換や入浴といった育児は赤ちゃんのお尻や頭を片手で持ち上げたり支えながら、もう片方の手で汚れを取るなど作業をしなければなりません。

赤ちゃんの体はすぐに成長して重くなり、オムツは1日に10回以上交換することもあります。そのたびに赤ちゃんの頭をを片手で持ち上げ続けていれば、それだけ手首にも負担がかかってしまいます。

家事もフライパンや鍋といった重い料理器具を扱うなど指や手首に負担がかかることはたくさんあります。育児や家事には休みもなく、注意も赤ちゃんの方にかかりきりになってしまい自身の体のことを軽視しがちになってしまいます。

その結果、手首に痛みが出始めても安静にすることもできずに症状を悪化させてしまうのです。

出産後の女性の腱鞘炎の原因③ホルモンバランスの乱れ

出産後の女性を悩ませるホルモンバランスの乱れが腱鞘炎の原因となることがあります。

女性の身体の仕組みをコントロールする女性ホルモンとしてエストロゲンプロゲステロンというものがあるのですが、これらのホルモンが女性の身体に与える影響が、腱鞘炎のなりやすさにも大きく関わっているのです。

エストロゲンとプロゲステロンには、それぞれ以下のような働きがあります。


  • エストロゲン(卵胞ホルモン)

エストロゲンには、女性特有の丸みを帯びた身体をつくる作用があり、その働きの1つとして腱鞘の炎症を抑える、腱の動きを滑らかにする働きがあります。
しかし出産後だけでなく妊娠中、更年期の女性は卵巣機能の衰えからエストロゲンの分泌量が減少してしまい、腱鞘の炎症を抑えられず腱の動くも悪くなってしまい腱鞘炎になってしまうのです。


  • プロゲステロン(黄体ホルモン)

プロゲステロンは子宮内膜を調整する、基礎体温を上昇させるなど妊娠を助ける働きをするホルモンです。プロゲステロンの働きの1つとして出産後の女性から出産後の子宮や骨盤を元に戻すために多く分泌されます。
しかし、プロゲステロンには同時に全身にある腱鞘を収縮させてしまう働きがあります。その結果、腱と腱鞘が擦れやすくなってしまい腱鞘炎にもなりやすくなってしまいます。


このような理由で、出産後の女性はエストロゲンの分泌量の減少、プロゲステロンの分泌によって腱と腱鞘炎が擦れやすくなり、更に炎症を抑える働きも弱くなってしまうため腱鞘炎にかかりやすくなってしまうのです。

出産後の腱鞘炎予防!気を付けなければいけないことは?

出産後は赤ちゃんの世話で大忙しのお母さん。そんな中で腱鞘炎が発症してしまったけどやらなきゃいけないことが多すぎて、手を休めている暇もない。かといって手の痛みを放置していると、更に症状が悪化してしまい、育児や家事もままならないような状態となってしまいます。

ここまでで出産後の女性が腱鞘炎を発症しやすい原因について紹介しましたが、ここからは、どうすれば腱鞘炎を予防できるのかについて解説していきます。

出産後の腱鞘炎予防①手首や指の負担がかかる作業を減らす

腱鞘炎の原因のほとんどは、特定の部位に負担がかかり過ぎてしまうことで。

赤ちゃんを抱っこする際に、赤ちゃんの頭を手首で支えようとすると、力が入りすぎて手首に負担がかかってしまいます。手首ではなく腕全体を使って抱きかかえるようにすることで少ない負担で抱っこができます。

また、抱っこ紐や、授乳クッションバスチェアや、ベビーカーといった道具を使うことでも、手首への負担を大きく減らすことができます。

これらのベビー用品は赤ちゃんの年齢や、体型によっても合う合わないがあるので、保育園のママ友や、ベビー用品店の店員さんなど、ベビー用品の使い方に詳しい方に話を聞きながら良いものを選べるようにしましょう。

特定の筋肉だけを酷使しない、負担を感じるようなら、ストレッチを行うなどで筋肉をほぐしたり、部位を安静にして休ませるようするなど、手首にダメージを与えないように心がけるのが大切です。

出産後の腱鞘炎予防②食事やサプリで女性ホルモンをコントロールする

出産後はホルモンバランスが乱れているのは前述したとおりですが、ホルモンバランスのコントロールを食事やサプリで補うことが出来ます。

出産後にホルモンバランスの乱れから来る体調不良に悩まされているのであれば、豆腐や味噌といった大豆食品に含まれている大豆イソフラボンがオススメです。

これは、大豆イソフラボンは腸内でエクオールという、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする成分に作り替えられるためです。大豆イソフラボンを摂ることで、腱鞘炎の炎症を抑える働きが期待できます。

大豆イソフラボンの摂取量目安としては1日あたり約50mgを目標にしましょう。この量は、納豆であれば1日1パック豆腐であれば1日1/2丁程度となります。

産後に腱鞘炎になってしまったら?対処法はどうすれば?

腱鞘炎の予防に気を付けていても発症してしまうことはあります。腱鞘炎の一番の解決策は、手の筋肉を休めてあげることですが、それ以外にも腱鞘炎の回復を早める方法があります。

ここでは、そのような腱鞘炎になってしまったときの効果的な対策について紹介していきます。

産後に腱鞘炎になってしまったら?①患部を冷やす、温める

腱鞘炎初期段階で患部が痛みや熱を持っているときは患部を氷や湿布で冷やす事で神経を麻痺させて痛みを和らげ、血行を一時的に抑えて炎症が広がるのを防ぎます。

痛みや熱が鎮まってからも冷やし続けると、今度は血行が滞り、新陳代謝が悪くなって周辺の筋肉が硬くなり、神経を圧迫してしまい逆効果となってしまいます。

患部を冷やして痛みが治まったら、今度は患部を温めて血行を良くするのが効果的です。慢性的な痛みにも患部を温めるのが効果的です。

しかし温めすぎると炎症が悪化して逆効果になるので注意が必要です。冷やす場合も、温める場合も、適度に気持ちいいと感じるくらいの温度を繰り返し、患部の血行促進を行いましょう。

産後に腱鞘炎になってしまったら?②サポーターを使用する

手を休めるのが最も有効ではありますが、手を一切使わないという状態では育児や家事どころか、ママさん自身の生活もままならなくなります。

そのため、腱鞘炎の重症化を防げるように、サポーターを使用して少しでも負担を減らすようにしましょう。

サポーターを使用することで、手首の筋肉への負担を減らし、腱鞘炎の悪化を防ぐことができます。サポーターはドラッグストアなどでも購入することができますが、ご自身にあったものをきちんと選びたいのであれば、整形外科や整骨院などでオススメのものを選んでもらいましょう。

産後に腱鞘炎になってしまったら?③病院で診察を受ける

手首が動かせないくらい痛みが重度に悪化してしまった場合は、自然治癒での回復は難しくなってしまいます。

そうならないためにも、早めに病院で診察を受けて適切な処置を施してもらいましょう。場合によっては、痛み止めの注射や外科手術が必要になることもあります。

誰もができるだけ注射や手術といった処置は行いたくはないですよね。異常を感じたら症状が重くなる前に、しっかりと腕の筋肉休ませて、腱鞘炎の悪化を防ぐようにしましょう。

出産後の女性がなりやすい腱鞘炎の予防と対策まとめ

出産後の女性が腱鞘炎になりやすいのは授乳といった抱っこや育児や家事による手首への多大な負担ホルモンバランスの乱れが大きく影響しています。

特に初産婦の方は慣れない育児で身体に負担をかけてしまう、夜泣きといったトラブルでストレスを抱えてしまいがちです

ホルモンバランスのコントロールにストレスは天敵であり、バランスの良い食事や良質な睡眠をとるなど規則正しい生活を送ることが大事です。

少しでも負担を和らげられるようお父さんなど周囲の人間が手助けをしてあげることが大切です。単身赴任などで旦那さんなどのご家族が近くにいない場合は、ヘルパーさんを頼んで家事を代行をお願いするのも1つの方法かもしれません。

腱鞘炎の症状に応じて、適切な処置を行えるようにしていきましょう。

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